1月ある朝突然臀部の下部が痛みだした40代男性
主訴
1月のある朝から臀部下部(仙骨下部)が突然痛み出した事と、時々左臀部から大腿外側にかけて痺れが出るので日常困っている、特に前屈時に仙骨下部が痛む.整形外科での正式な検査はしていないとの事
この痛みの原因になる様な外傷の記憶はないとの事、仕事がパソコン作業で座っている時間が長いという位
治療院へ行き施術を受けてきたが改善しなかった
腰痛持ちで時々腰に痛みが出たりする
家族が当院で施術を受けているので勧められて来院されたとの事
立位-体幹前屈時に仙骨下部に痛みを訴える.左梨状筋部と大腿外側部については前屈.後屈や身体を動かす事による痛み痺れは発生しない.この部位の症状は現在治まっている
学生時代にバスケをやり、現在まで色々とスポーツはやってきたが大きな怪我や事故、また入院する様な病気や現在薬も服用していないとの事
全身検査
立位傾聴で体幹の胸腰移行部と腰仙部に右から左への外力がかかりスライドしている
前屈時に仙骨下部の動きが制限されて痛みを発する
腹臥位では、骨盤の変位や下肢の関節に異常なし、左梨状筋に硬結と圧痛あり
仰臥位では、左右の下肢がアンバランスになるも大きな問題は表現していない
頭蓋から脊柱管を通して傾聴検査を行うと、仙骨4-5番に制限を表している
施術
仙骨の4-5番に圧縮
仙骨5番が前.左へ.そして捻転という複雑な圧縮が掛かっていたので解放にかなりの時間を要した。左梨状筋硬結の解放
更に腰椎5番の右側とT12左側と胸椎8番右側の椎間関節圧縮による制限を解放しました
考察
仙骨4-5番に複雑に掛かっていた圧縮制限が主訴です
腰椎や胸椎前屈時に掛かっていた制限も仙骨にも影響していた様です
仙骨4-5番の圧縮を解放方向へ持って行くとボンドでくっつけた様な制限があった為に開放するのにかなり時間を要しました
仙骨固着制限を解放するのに時間を要した理由は、外傷に覚えがないという事なので記憶にないくらい古い外傷があったのか、或は生活習慣による仙骨の骨内組織に固着を起こす様な何かがあったのかもしれません
ご本人様の過去の記憶に、転倒や外傷を受けたと云う様な記憶はありませんでしたが、オステオパシー傾聴検査で主訴を作っている仙骨4-5番の制限部位を診断する事が出来問題解決への重要な手掛かりになった症例でした